さらに語られる2つのエピソード――――
*若干、本編のネタバレを含みます。
初見の方、ご注意を。
其の壱 蛍編「デートは刺客にご用心!?」
8月15日 夏休みも中盤にさしかかった、ある日。
ちょうど蛍があやかの秘密を知ってしまったあの事件から、
数日が過ぎた日の出来事。
その日は、あやかと蛍にとって記念すべき日だった。
親友だったにもかかわらず、
二人は二人だけで出かけたことが無かった。
あやかが自身の秘密を守るために、仕方なくである。
しかし蛍があやかの秘密を知り、家の許可も下りたこともあって、
二人はようやく二人きりで外へ出かけることができた。
蛍は意気揚々と、記念すべき二人だけのデートへ向かうのだった。
……よもや、二人に魔の手が忍び寄っているとも知らずに。
其の弐 理奈編「理奈様のお料理地獄&埴輪王国の秘宝」
それは、FIRSTの物語より少し前のこと――――
ゴールデンウィークも最終日。
今年もあやかはどこへ出かけるという事もなく、
テレビを見ながらごろごろと過ごしていた。
それを見た妹の理奈は、すっかり呆れてしまう。
普段は自分を変えたいといっているくせに、結局何もしない。
ここは、妹のわたしがなんとかしなくては。
そこで理奈は、姉に料理を作らせようとしたが……。
さらに後、理奈は姉の気持ちを深く感じ取ってしまう。
あやかはただごろごろしているのではない。
自分が外へ出ると迷惑がかかるから出ないのである。
秘密がバレるのが、どれだけ大変なことか知っていたから。
理奈はいつも察してはいたけど、
物寂しげに語る姉の横顔に直接見ると、言葉が無かった。
それなら、姉のかわりに自分が外へ出よう。
せめて自分が外をまわり、体験したことを話して聞かせてあげよう。
それが理奈があやかにしてあげられることだから。
理奈は身支度を済ませると冒険の旅に出るのであった――――
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